Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
③
翌日、普段より少し早めに出社した私は、パソコンに向かいながら、昨夜のことを思い出していた。
会社を出た私は、美里と連絡を取ると、彼女と仕事帰りに会う時には、よく行くイタリアンのお店で待ち合わせた。
美里と私は幼なじみ、幼稚園から大学までずっと一緒の大親友。さすがに就職先は違ったけど、それでも会社は電車で3駅しか離れてなく、帰る方向も一緒だから、こうして仕事帰りに会うことも珍しいことではなかった。
先に着いた私が待っていると、10分程で美里も到着。
「お待たせ。」
「急にゴメンね。」
「いえいえ、梓の為なら。で、どうしたの?」
何事かと尋ねる美里に、私は今日の出来事を報告する。すると、美里の表情が驚きに変わる。
「間違いないの?それ。」
「間違えようがないよ。面影はあるし、第一名前が一緒なんだから。」
「そっか、そうだよね・・・。」
私の言葉に、美里は頷く。
「う〜ん、でも、この展開は予想しなかったね。まさか梓とヤツが同じ職場になるなんて・・・。」
「確かにね。」
「向こうは気がついてないのかな?」
「わからない、でも気がついてないと思う。挨拶の時だって、向こうは緊張してるだろうし、20人以上いる人間の顔をいちいち確認してる余裕なんかないよ、たぶん。もっとも・・・。」
「もっとも・・・?」
「知らん顔されてる可能性が全くないわけじゃないけどね。」
そう言うと、私はため息をついた。
会社を出た私は、美里と連絡を取ると、彼女と仕事帰りに会う時には、よく行くイタリアンのお店で待ち合わせた。
美里と私は幼なじみ、幼稚園から大学までずっと一緒の大親友。さすがに就職先は違ったけど、それでも会社は電車で3駅しか離れてなく、帰る方向も一緒だから、こうして仕事帰りに会うことも珍しいことではなかった。
先に着いた私が待っていると、10分程で美里も到着。
「お待たせ。」
「急にゴメンね。」
「いえいえ、梓の為なら。で、どうしたの?」
何事かと尋ねる美里に、私は今日の出来事を報告する。すると、美里の表情が驚きに変わる。
「間違いないの?それ。」
「間違えようがないよ。面影はあるし、第一名前が一緒なんだから。」
「そっか、そうだよね・・・。」
私の言葉に、美里は頷く。
「う〜ん、でも、この展開は予想しなかったね。まさか梓とヤツが同じ職場になるなんて・・・。」
「確かにね。」
「向こうは気がついてないのかな?」
「わからない、でも気がついてないと思う。挨拶の時だって、向こうは緊張してるだろうし、20人以上いる人間の顔をいちいち確認してる余裕なんかないよ、たぶん。もっとも・・・。」
「もっとも・・・?」
「知らん顔されてる可能性が全くないわけじゃないけどね。」
そう言うと、私はため息をついた。