Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
「おはようございます。」


週末が明け、また新たな1週間がスタートした。私がオフィスに入ると、半数くらいの人が出勤している。


「おはよう。」


課長も既に来ていた。


「おはようございます、今日はお早いですね。」


私は内心の気恥ずかしさを押し隠して、課長に声を掛ける。


「そうか。」


さり気なく課長は答えるが、実はちょっと照れくさそうなのに、気付いたのは、たぶん私だけ・・・。


この週末、私達はビックリするくらい、いろんな会話を交わした。電話だけでなく、LINEが私達を長い時間繋いでくれた。


他愛もない内容ばかりだったけど、私達の距離は、先の週末でだいぶ縮まった、そんな実感がある。


今度の週末は映画を見に行く約束をもうしている。会社帰りではなく、土曜日に。今度はいよいよお互いプライベート服で会うことになる。


美里も現在、お忙しい週末を送っているから、こんな状況をLINEで報告した。


『梓の方からケー番やLINEの交換を持ち掛けただけでも上出来だと思ったのに。その上、土日でしっかりコミュニケーションをとって、距離を縮めて。梓もなかなかやるねぇ。』


褒められてるのか、からかわれてるのか、微妙なところだけど、でも我ながら頑張ったかなぁとは思っている。
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