Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
一緒に見た映画は、SFものだった。ホラー系じゃなきゃ、なんでもよかったんだけど


「やっぱり恋愛ものの方がよかったか?」


「ううん、こういうの嫌いじゃないですから。」


そんな会話を経て、見た映画は、テンポもよく、迫力満点で面白かった。


終わったあとは、お昼ご飯を食べに。なにが食べたいと聞かれ、パスタと答える私に、苦笑いを浮かべながら、でも想定内だなと言いながら、連れてってくれたお店は、味も雰囲気もとてもよかった。


見た映画の感想を皮切りに、会話も弾み、時間があっという間に過ぎて行く。


今、相対してる人が会社の上司であることをほとんど意識してない自分にふと気付いて、我ながら驚いてしまう。


いろんな話題で、私を飽きさせず、と言って一方的に喋ってるだけじゃなく、私の話にも、ちゃんと耳を傾けてくれる。


異性とのお付き合いに、全く慣れていない私を、ここまでリラックスさせてくれる小笠原さんに、正直敬服してしまう。


あっという間に、夕方に。今日はこのくらいの時間までと言う約束。もっと一緒に居たいという気持ちの反面、やっぱりリラックスしていたといいながらも、それなりに緊張していたらしく、疲れもあった。


そんな私の状態を見越しての早めの解散。凄い気遣いだなぁ。


「来週は、ドライブなんてどう?」


「はい、よろしくお願いします。」


なんて、来週の約束もしっかりして、私達は名残りを惜しみながら、サヨナラをした。


『今日はありがとうございました、とても楽しかったです。』


『こちらこそ、ありがとう。』


そのあと、私達のLINEでの会話は夜遅くまで続いた。
< 114 / 225 >

この作品をシェア

pagetop