Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
こんな高いものをご馳走になるわけには・・・、クルマが走り出してから、私は改めてそう言ったけど
「石原が美味しいと思ってくれたんなら、それでいいんだ。ご馳走になるのが当たり前みたいな顔されるのも嫌だけど、あんまり遠慮され過ぎても、ちょっと寂しいぞ。」
「はい・・・。」
そこまで言われてしまっては、私も素直に甘えさせてもらうしかない。改めてお礼を言う私に、小笠原さんは笑顔で応えてくれた。
そうこうしているうちに、クルマはどんどん進んで行く。30分ほど走ったところで、駐車場が見えて来て、たくさんのクルマが止まっている。
「凄いですね。」
「今の時期しか見られないものだからな、明日は日曜だし。さ、俺達も行こう。河原に向かうから、足元気をつけてな。」
そう言いながら、また私の手を取って、小笠原さんは歩き出す。
「ありがとうございます。」
「お礼を言いたいのはこっちだ。振り払われなくて、感謝してる。」
「そんな。」
すっかり暗くなった道を、手を繋いで歩く私達。少しずつ、川のせせらぎが近づいて来てるのを感じていると、やがて前方の視界がパッと開いた。
その瞬間に目に飛び込んで来た、ライトアップされて、一段と鮮やかに彩られたその光景に、私は息を呑む。
「きれい・・・。」
昼間の紅葉とは、また違った美しさと迫力に、私はしばし言葉を失う。周囲で、私達と同じようなカップルが、同じようにこの景色を寄り添って見ている。けど、そんなことを忘れてしまうくらい、私はその景色に心奪われる。
「小笠原さん。」
「うん?」
「ありがとうございます、こんな素敵な景色を見せていただいて。」
「ああ。」
私は小笠原さんにお礼を言うと、また前方の景色に目を戻す。
「石原。」
すると、私を呼ぶ小笠原さんの声。
「はい。」
と返事をして、振り向いた私の目に飛び込んで来たのは、固い表情で私を見る小笠原さんの姿だった。
「石原が美味しいと思ってくれたんなら、それでいいんだ。ご馳走になるのが当たり前みたいな顔されるのも嫌だけど、あんまり遠慮され過ぎても、ちょっと寂しいぞ。」
「はい・・・。」
そこまで言われてしまっては、私も素直に甘えさせてもらうしかない。改めてお礼を言う私に、小笠原さんは笑顔で応えてくれた。
そうこうしているうちに、クルマはどんどん進んで行く。30分ほど走ったところで、駐車場が見えて来て、たくさんのクルマが止まっている。
「凄いですね。」
「今の時期しか見られないものだからな、明日は日曜だし。さ、俺達も行こう。河原に向かうから、足元気をつけてな。」
そう言いながら、また私の手を取って、小笠原さんは歩き出す。
「ありがとうございます。」
「お礼を言いたいのはこっちだ。振り払われなくて、感謝してる。」
「そんな。」
すっかり暗くなった道を、手を繋いで歩く私達。少しずつ、川のせせらぎが近づいて来てるのを感じていると、やがて前方の視界がパッと開いた。
その瞬間に目に飛び込んで来た、ライトアップされて、一段と鮮やかに彩られたその光景に、私は息を呑む。
「きれい・・・。」
昼間の紅葉とは、また違った美しさと迫力に、私はしばし言葉を失う。周囲で、私達と同じようなカップルが、同じようにこの景色を寄り添って見ている。けど、そんなことを忘れてしまうくらい、私はその景色に心奪われる。
「小笠原さん。」
「うん?」
「ありがとうございます、こんな素敵な景色を見せていただいて。」
「ああ。」
私は小笠原さんにお礼を言うと、また前方の景色に目を戻す。
「石原。」
すると、私を呼ぶ小笠原さんの声。
「はい。」
と返事をして、振り向いた私の目に飛び込んで来たのは、固い表情で私を見る小笠原さんの姿だった。