Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
もう1つは、その日の退勤後。小川から電話が掛かって来たと思ったら
「サワ、ごめん。ちょっと助けて、お願い。」
と困り果てた声で言う。何事かと思えば、さっき珍しく彼氏から電話が掛かって来たと思ったら、昨日俺と2人で飲んだことが彼氏にバレて、いきなり怒鳴りつけられたらしい。
ほら、言わんこっちゃないと思いながら、話を聞くと、悪いことは出来ないもので(って、してないけど)、昨日の飲み屋に彼氏の大学時代の友人が来てて、これ、お前の彼女じゃねぇ?って俺と2人で飲んでる様子を写メしたそうだ。
いやはや、こういうことが誰でも出来るというのは、恐ろしい時代だが
「悪いけど、これから彼氏に呼び出されて会うんだ。一緒に会って、説明してくんない。」
と泣きべそをかいてるような声で言って来る小川に、やれやれと思いながらも、放っておくことも出来ないので、とりあえず言われた場所に向かおうとすると
「澤城くん!」
と後ろから石原が追い掛けて来る。
「どうした?」
「美里から話し聞いて。なんか大変なことになっちゃったね。」
「参ったよ。とにかくちょっとアイツのとこ、行って来る。」
「美里が私にも来てって言ってるから、一緒に行くよ。」
「なんで石原が?」
「とにかく、美里の彼氏さん、怒りまくってるらしくて、澤城くんが1人で来たら、かえってまずいことになりかねないからって。」
「なんだよ、それ。全然そんな話じゃねぇのにな。まぁ、しょうがねぇ。とにかく行こうぜ。」
こうして俺達は一緒に駅に向かう。この姿を課長にだけは、見られないようにと祈りながら。
「サワ、ごめん。ちょっと助けて、お願い。」
と困り果てた声で言う。何事かと思えば、さっき珍しく彼氏から電話が掛かって来たと思ったら、昨日俺と2人で飲んだことが彼氏にバレて、いきなり怒鳴りつけられたらしい。
ほら、言わんこっちゃないと思いながら、話を聞くと、悪いことは出来ないもので(って、してないけど)、昨日の飲み屋に彼氏の大学時代の友人が来てて、これ、お前の彼女じゃねぇ?って俺と2人で飲んでる様子を写メしたそうだ。
いやはや、こういうことが誰でも出来るというのは、恐ろしい時代だが
「悪いけど、これから彼氏に呼び出されて会うんだ。一緒に会って、説明してくんない。」
と泣きべそをかいてるような声で言って来る小川に、やれやれと思いながらも、放っておくことも出来ないので、とりあえず言われた場所に向かおうとすると
「澤城くん!」
と後ろから石原が追い掛けて来る。
「どうした?」
「美里から話し聞いて。なんか大変なことになっちゃったね。」
「参ったよ。とにかくちょっとアイツのとこ、行って来る。」
「美里が私にも来てって言ってるから、一緒に行くよ。」
「なんで石原が?」
「とにかく、美里の彼氏さん、怒りまくってるらしくて、澤城くんが1人で来たら、かえってまずいことになりかねないからって。」
「なんだよ、それ。全然そんな話じゃねぇのにな。まぁ、しょうがねぇ。とにかく行こうぜ。」
こうして俺達は一緒に駅に向かう。この姿を課長にだけは、見られないようにと祈りながら。