Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
そんなこんなで、また1週間程が過ぎた頃の金曜日。
新人社員の勤務もだいぶ落ち着いて来たこの時期に、ウチの部の新人歓迎会が開かれることになった。
この手の飲み会とかに、全く見向きもしない澤城くんも、さすがに自分が主賓の1人であるこの席をスルーすることは出来なかった。
(この機会を逃しちゃいけない。)
どうしても縮めることが出来ない彼との距離。個人的な会話を交わすキッカケすら掴めずに、そろそろひと月近くが過ぎてしまおうとしている。
このままじゃと悶々としながら、過ごして来た私にとって、待ちに待ったチャンスが来た。
部長、課長の側に4人揃って座らされてる新人達。私は彼の横の席が空く瞬間をひたすら待つことにした。
部長の乾杯の音頭で、宴会スタート。改めて自己紹介をさせられる新人達。今回は自己紹介のあとに、質問コーナーが設けられ、いろいろと彼らをイジろうという趣向のようだった。
ただし、時節柄、セクハラ、パワハラ系の質問は厳禁とのお達しで、みんなのお酒がまだ、あまり入ってないタイミングでの実施となった。
それでも彼氏彼女はいるのか、好みのタイプくらいの質問は出るから、それなりに盛り上がり、いよいよ3番目の澤城くんが立ち上がった。
「澤城です、改めてよろしくお願いします。」
そう言って、一礼した澤城くんは、ひと呼吸入れると、こんなことを話し出した。
「見てて、たぶんお気付きの人も多いでしょうけど、私は・・・いわゆる『コミュ障』です。」
その言葉に、私はハッとして彼の顔を見る。
新人社員の勤務もだいぶ落ち着いて来たこの時期に、ウチの部の新人歓迎会が開かれることになった。
この手の飲み会とかに、全く見向きもしない澤城くんも、さすがに自分が主賓の1人であるこの席をスルーすることは出来なかった。
(この機会を逃しちゃいけない。)
どうしても縮めることが出来ない彼との距離。個人的な会話を交わすキッカケすら掴めずに、そろそろひと月近くが過ぎてしまおうとしている。
このままじゃと悶々としながら、過ごして来た私にとって、待ちに待ったチャンスが来た。
部長、課長の側に4人揃って座らされてる新人達。私は彼の横の席が空く瞬間をひたすら待つことにした。
部長の乾杯の音頭で、宴会スタート。改めて自己紹介をさせられる新人達。今回は自己紹介のあとに、質問コーナーが設けられ、いろいろと彼らをイジろうという趣向のようだった。
ただし、時節柄、セクハラ、パワハラ系の質問は厳禁とのお達しで、みんなのお酒がまだ、あまり入ってないタイミングでの実施となった。
それでも彼氏彼女はいるのか、好みのタイプくらいの質問は出るから、それなりに盛り上がり、いよいよ3番目の澤城くんが立ち上がった。
「澤城です、改めてよろしくお願いします。」
そう言って、一礼した澤城くんは、ひと呼吸入れると、こんなことを話し出した。
「見てて、たぶんお気付きの人も多いでしょうけど、私は・・・いわゆる『コミュ障』です。」
その言葉に、私はハッとして彼の顔を見る。