Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
「このまま、アズが目を覚まさなかったら、俺はアズに何も言えないままになる。自分の本当の気持ちを伝えることも、今までのアズの俺への気遣い、優しさに感謝をすることも出来なくなる。俺は今まで、何してたんだ、どこまでバカだったんだ。本当に毎日毎日、後悔して、自分を責めた。何も出来ないで、ただただ横にいて、お前が目を覚ましてくれることを祈ることしか出来ない自分がとにかく悔しくて。そんな2ヶ月だったんだよ。」
澤城くん・・・。
「だからあの夜、アズが目を覚まして、俺の名前を呼んでくれた時に、俺は大袈裟でなく、神様に感謝したよ。アズを俺に、俺達に返してくれてありがとうございますって。今、こう言うとメチャクチャ恥ずかしいけど、でもあの時は、本気でそう思ったんだよ。」
そう言った澤城くんの顔は、本当に真っ赤になってる。
そして、一瞬の沈黙。見つめ合う私達。いよいよ最後のクライマックス。1つ深呼吸した澤城くんは言った。
「アズ。」
「はい。」
「俺はこれからも、ずっとお前のこと、アズって呼ばせてもらいたい。いいか?」
そのセリフを聞いた途端、私は内心でつんのめっていた。なんで、この期に及んで、そんな中途半端というか訳のわからないこと言ってくれちゃってるの?
そうか、私の想い人は筋金入りのコミュ障だったんだ・・・。可哀想だけど、これじゃイヤ。私は心を鬼にして、ダメ出しすることにした。
「なんで?」
「え?」
「なんで、私のこと、そう呼びたいの?」
「いや、それは・・・。」
「私、生まれてから今まで、『アズ』なんて呼ばれ方、誰からもされたことないんですけど。」
と目一杯、冷たく言ってみた瞬間、私は後悔した。「そうか、やっぱり『梓』の方がいいか?」なんて話が、余計変な方向に行きかねないことに、気付いたからだ。
どうしよう・・・私は祈るように彼を見た。
澤城くん・・・。
「だからあの夜、アズが目を覚まして、俺の名前を呼んでくれた時に、俺は大袈裟でなく、神様に感謝したよ。アズを俺に、俺達に返してくれてありがとうございますって。今、こう言うとメチャクチャ恥ずかしいけど、でもあの時は、本気でそう思ったんだよ。」
そう言った澤城くんの顔は、本当に真っ赤になってる。
そして、一瞬の沈黙。見つめ合う私達。いよいよ最後のクライマックス。1つ深呼吸した澤城くんは言った。
「アズ。」
「はい。」
「俺はこれからも、ずっとお前のこと、アズって呼ばせてもらいたい。いいか?」
そのセリフを聞いた途端、私は内心でつんのめっていた。なんで、この期に及んで、そんな中途半端というか訳のわからないこと言ってくれちゃってるの?
そうか、私の想い人は筋金入りのコミュ障だったんだ・・・。可哀想だけど、これじゃイヤ。私は心を鬼にして、ダメ出しすることにした。
「なんで?」
「え?」
「なんで、私のこと、そう呼びたいの?」
「いや、それは・・・。」
「私、生まれてから今まで、『アズ』なんて呼ばれ方、誰からもされたことないんですけど。」
と目一杯、冷たく言ってみた瞬間、私は後悔した。「そうか、やっぱり『梓』の方がいいか?」なんて話が、余計変な方向に行きかねないことに、気付いたからだ。
どうしよう・・・私は祈るように彼を見た。