Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
そして、ちょっと長めのエピローグ
暑い1日だった。この日、私は朝から少し気合いが入っていた。
もうすぐ誕生日が来るから、そしたら26歳。そんな私が、あの日以来、久しぶりに浴衣を着る。今日は地元の神社のお祭り。
あの日は、新しい浴衣を買ってもらって、ウキウキで出掛けたら、当時のクラスメイトに、似合わないとか散々にからかわれた。
お祭りは大人になった今でも、楽しみにしている。あの雰囲気が好きだし、成人式ではないけど、思わぬ旧知に会ったりするのが、嬉しい。
だけど、あれ以来、浴衣を着たことはなかった。嫌な思いをして、トラウマになってしまったこともあるけど、次に着るのは、彼と一緒に来た時、そう決めてたから。
でも、それが実現する見込みなんて全然なかった。だって、誤解とは言え
「もう2度と話し掛けて来るなよ!」
とまで言われちゃって、そのまま卒業。それ以降、音信不通になってたんだから。
美里に付き合ってもらって、選んだ浴衣。15年前と同じように、お母さんが着付けてくれた。
「どう似合う?」
と聞くと、涙ぐみながら頷くお母さん。
「とっても綺麗だよ。よかったね、また浴衣を着られて。」
ちょっと、大袈裟だよ〜って、言おうとして、ハッとした。お母さんは、私が久しぶりに浴衣を着られたことに感極まってるわけじゃないことに気付いたから。
そうだよね、1つ間違ったら、浴衣どころか、私はここにいなかったかもしれないんだもんね・・・。
今日、浴衣を着て、彼の迎えを待ってる今の幸せを改めて、噛みしめる。
もうすぐ誕生日が来るから、そしたら26歳。そんな私が、あの日以来、久しぶりに浴衣を着る。今日は地元の神社のお祭り。
あの日は、新しい浴衣を買ってもらって、ウキウキで出掛けたら、当時のクラスメイトに、似合わないとか散々にからかわれた。
お祭りは大人になった今でも、楽しみにしている。あの雰囲気が好きだし、成人式ではないけど、思わぬ旧知に会ったりするのが、嬉しい。
だけど、あれ以来、浴衣を着たことはなかった。嫌な思いをして、トラウマになってしまったこともあるけど、次に着るのは、彼と一緒に来た時、そう決めてたから。
でも、それが実現する見込みなんて全然なかった。だって、誤解とは言え
「もう2度と話し掛けて来るなよ!」
とまで言われちゃって、そのまま卒業。それ以降、音信不通になってたんだから。
美里に付き合ってもらって、選んだ浴衣。15年前と同じように、お母さんが着付けてくれた。
「どう似合う?」
と聞くと、涙ぐみながら頷くお母さん。
「とっても綺麗だよ。よかったね、また浴衣を着られて。」
ちょっと、大袈裟だよ〜って、言おうとして、ハッとした。お母さんは、私が久しぶりに浴衣を着られたことに感極まってるわけじゃないことに気付いたから。
そうだよね、1つ間違ったら、浴衣どころか、私はここにいなかったかもしれないんだもんね・・・。
今日、浴衣を着て、彼の迎えを待ってる今の幸せを改めて、噛みしめる。