Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
やがて3年に進級した俺達。皮肉にも石原と小川とはまた、一緒のクラスになったが、当然目も合わせない関係。
クラスも変わり、受験もたけなわになり、いつしか、あの騒動も過去のものになって行った。
そして、まもなく卒業というある日、俺は久々に小川から声を掛けられた。
「澤城くん、お願い。ちょっとだけでいいから、私の話を聞いて。」
「今更、何の話があるんだよ。だいたいお前ら、翔真に謝ったのかよ?翔真だけじゃなく、他のからかった連中に頭下げたのかよ?」
「・・・。」
「俺に何の言い訳したいんだか、知らねぇけど、相手、間違ってるんじゃね?」
「澤城くん。」
「ちゃんとケジメつけろよ、自分達の手で。そうじゃなきゃ、お前ら、いつまで経っても先に進めないぜ。」
切なそうな声で、呼び掛けて来る小川に、ちょいと説教じみたことを言ってしまった俺は、柄にもなくチラリと笑って見せると、立ち尽くす小川を残して歩き出した。
それから数日後、俺達は中学を卒業した。俺は県下1番の進学校に1時間以上掛けて、通うことになっていた。
同中から一緒に進学するのは、翔真他数人。もう、アイツらと同じ道を歩くことはない、はずだった・・・。
クラスも変わり、受験もたけなわになり、いつしか、あの騒動も過去のものになって行った。
そして、まもなく卒業というある日、俺は久々に小川から声を掛けられた。
「澤城くん、お願い。ちょっとだけでいいから、私の話を聞いて。」
「今更、何の話があるんだよ。だいたいお前ら、翔真に謝ったのかよ?翔真だけじゃなく、他のからかった連中に頭下げたのかよ?」
「・・・。」
「俺に何の言い訳したいんだか、知らねぇけど、相手、間違ってるんじゃね?」
「澤城くん。」
「ちゃんとケジメつけろよ、自分達の手で。そうじゃなきゃ、お前ら、いつまで経っても先に進めないぜ。」
切なそうな声で、呼び掛けて来る小川に、ちょいと説教じみたことを言ってしまった俺は、柄にもなくチラリと笑って見せると、立ち尽くす小川を残して歩き出した。
それから数日後、俺達は中学を卒業した。俺は県下1番の進学校に1時間以上掛けて、通うことになっていた。
同中から一緒に進学するのは、翔真他数人。もう、アイツらと同じ道を歩くことはない、はずだった・・・。