Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
⑦
週が明けた。例によって、午前中が、慌ただしく過ぎて行き、あっと言う間に、昼休みを告げるチャイムが聞こえて来る。
食堂に誘ってくれる千尋に、連絡したい所があるから、先に行っててくれるように告げると、私はデスクを離れた。
急いで部屋を出て、少し待っていると、予想通り、彼が1人で出て来た。
「澤城くん。」
そう声を掛けると、彼は驚いたように私を見た。
「石原。」
その彼の表情に、まるで中学生の時のようにドキマギしながら、私は懸命に話し掛ける。
「突然なんだけど・・・。」
一瞬、躊躇した後、私は思い切って言った。
「今日、仕事終わった後、ちょっと時間もらえないかな?」
「えっ?」
その私の言葉に、戸惑ったような視線を向けて来る澤城くん。
「どうしたんだよ、急に?」
「う、うん。ちょっとお話ししたいことがあって・・・。」
真っ直ぐに彼に見つめられてるのが、恥ずかしくて、うつむき加減の私を、澤城くんは不思議そうに眺めていたけど
「まだこの間のこと、気にしてるのか?だったらあの時は、内田・・・さんの言う通り、確かに俺の言い方も悪かった。謝るよ。」
「それは私がミスったんだから・・・。」
「じゃ、まさか、今更中学の時のことを謝ってくれるとか?」
「そ、そうじゃなくて・・・。」
「じゃ、なんだよ。もったいぶらないで、今、ここで言ってくれよ。」
「こ、ここじゃ、ちょっと・・・。」
ここで沈黙が流れる。少し、間があったあと、澤城くんが言った。
「今日はダメだな。」
「えっ?」
「家の食事当番なんだ。」
その澤城くんの言葉に、私が驚いてると
「明日でもいいか?」
との言葉が聞こえて来て
「うん。」
と慌てて答える。
「わかった。じゃ、そういうことで。」
そう言って、澤城くんは離れて行く。相変わらずの対応だけど、兎にも角にも約束が出来て、私はホッとしていた。
食堂に誘ってくれる千尋に、連絡したい所があるから、先に行っててくれるように告げると、私はデスクを離れた。
急いで部屋を出て、少し待っていると、予想通り、彼が1人で出て来た。
「澤城くん。」
そう声を掛けると、彼は驚いたように私を見た。
「石原。」
その彼の表情に、まるで中学生の時のようにドキマギしながら、私は懸命に話し掛ける。
「突然なんだけど・・・。」
一瞬、躊躇した後、私は思い切って言った。
「今日、仕事終わった後、ちょっと時間もらえないかな?」
「えっ?」
その私の言葉に、戸惑ったような視線を向けて来る澤城くん。
「どうしたんだよ、急に?」
「う、うん。ちょっとお話ししたいことがあって・・・。」
真っ直ぐに彼に見つめられてるのが、恥ずかしくて、うつむき加減の私を、澤城くんは不思議そうに眺めていたけど
「まだこの間のこと、気にしてるのか?だったらあの時は、内田・・・さんの言う通り、確かに俺の言い方も悪かった。謝るよ。」
「それは私がミスったんだから・・・。」
「じゃ、まさか、今更中学の時のことを謝ってくれるとか?」
「そ、そうじゃなくて・・・。」
「じゃ、なんだよ。もったいぶらないで、今、ここで言ってくれよ。」
「こ、ここじゃ、ちょっと・・・。」
ここで沈黙が流れる。少し、間があったあと、澤城くんが言った。
「今日はダメだな。」
「えっ?」
「家の食事当番なんだ。」
その澤城くんの言葉に、私が驚いてると
「明日でもいいか?」
との言葉が聞こえて来て
「うん。」
と慌てて答える。
「わかった。じゃ、そういうことで。」
そう言って、澤城くんは離れて行く。相変わらずの対応だけど、兎にも角にも約束が出来て、私はホッとしていた。