Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
⑧
その笑顔に、私の心が軽くなった。いよいよ、タイミングかもしれない。
「澤城くん。」
「うん?」
私の呼びかけに、澤城くんは、また私に視線を向けてくる。1つ息をすると、私は覚悟を決めて、話し出す。
「実はね・・・。私は、あなたに中学時代に伝えられなかったことがある。」
「伝えられなかったこと?」
驚いたようにそう問い返す澤城くん。
「うん・・・。澤城くんは、私と中2の時に初めて出会ったと思ってるよね。」
「ああ。違うのか?」
「うん。あなたは気付いてなかったんだろうけど、私はその前から・・・小学生の頃から澤城くんのこと、知ってた。」
「えっ?」
「当時の澤城くんの家と、私の家って、ご近所っていう程でもなかったけど、割と近かったんだよ。学区の関係で、小学校は別だったけど。」
「・・・。」
「私達の地域って、お祭りとかそういう行事が結構盛んだったじゃない。」
「そうだったなぁ。」
「月に1回、町内の清掃があったり、バス旅行があったりして。」
「そうそう。月1の清掃、あれが結構面倒でさ。ウチはオヤジが早くに亡くなっちまって、オフクロがフルで働いてたから、俺がよく行かされてた。」
と懐かしそうに話し出す澤城くん。
「澤城くん。」
「うん?」
私の呼びかけに、澤城くんは、また私に視線を向けてくる。1つ息をすると、私は覚悟を決めて、話し出す。
「実はね・・・。私は、あなたに中学時代に伝えられなかったことがある。」
「伝えられなかったこと?」
驚いたようにそう問い返す澤城くん。
「うん・・・。澤城くんは、私と中2の時に初めて出会ったと思ってるよね。」
「ああ。違うのか?」
「うん。あなたは気付いてなかったんだろうけど、私はその前から・・・小学生の頃から澤城くんのこと、知ってた。」
「えっ?」
「当時の澤城くんの家と、私の家って、ご近所っていう程でもなかったけど、割と近かったんだよ。学区の関係で、小学校は別だったけど。」
「・・・。」
「私達の地域って、お祭りとかそういう行事が結構盛んだったじゃない。」
「そうだったなぁ。」
「月に1回、町内の清掃があったり、バス旅行があったりして。」
「そうそう。月1の清掃、あれが結構面倒でさ。ウチはオヤジが早くに亡くなっちまって、オフクロがフルで働いてたから、俺がよく行かされてた。」
と懐かしそうに話し出す澤城くん。