Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
「まだ小さい弟さんや妹さんを面倒見ながら、一所懸命に掃除に参加してる澤城くんを見て、凄いなぁって思ってた。」
「そうか?」
と言って、照れ臭そうに笑う澤城くん。
「それだけじゃないよ。1回だけだけど、話したことだってある。」
「ホント?」
「うん。あれは5年生の時のお祭りだった。私、浴衣着せてもらって、いい気持ちで歩いてたら、同級生にからかわれて。美里が一緒だったら、すぐに追っ払ってくれたんだろうけど、まだ来てなくて、困ってたところに、澤城くんが声を掛けてくれた。」
「俺が?」
「そう。お前ら、女子が困ってるのに、何やってんだって、怒鳴りつけて、助けてくれた。見ず知らずの私を。嬉しかった。お礼を言うと、調子に乗ってる奴がいるから気を付けろよって言って、そのまま、弟さん達連れて、行っちゃった。」
「なんか、そんなこともあったような気がするけど、あの時の女の子、石原だったんだ。」
澤城くんは、目を丸くしている。
「そのうち、中学に上がって、そしたら澤城くんが今度は同じ学校にいて。2年生になって、同じクラスになって、席も隣同士になって、嬉しかったなぁ。」
「石原・・・。」
「あの時のお礼を言って、いろいろお話して、仲良くなれればいいなぁって思ってた。でも・・・。」
一瞬、間を置いた私は
「澤城くんは、あのこと覚えてなかったし、なにより全然、私に興味がなかった。」
そう言うと、私はため息をついた。
「そうか?」
と言って、照れ臭そうに笑う澤城くん。
「それだけじゃないよ。1回だけだけど、話したことだってある。」
「ホント?」
「うん。あれは5年生の時のお祭りだった。私、浴衣着せてもらって、いい気持ちで歩いてたら、同級生にからかわれて。美里が一緒だったら、すぐに追っ払ってくれたんだろうけど、まだ来てなくて、困ってたところに、澤城くんが声を掛けてくれた。」
「俺が?」
「そう。お前ら、女子が困ってるのに、何やってんだって、怒鳴りつけて、助けてくれた。見ず知らずの私を。嬉しかった。お礼を言うと、調子に乗ってる奴がいるから気を付けろよって言って、そのまま、弟さん達連れて、行っちゃった。」
「なんか、そんなこともあったような気がするけど、あの時の女の子、石原だったんだ。」
澤城くんは、目を丸くしている。
「そのうち、中学に上がって、そしたら澤城くんが今度は同じ学校にいて。2年生になって、同じクラスになって、席も隣同士になって、嬉しかったなぁ。」
「石原・・・。」
「あの時のお礼を言って、いろいろお話して、仲良くなれればいいなぁって思ってた。でも・・・。」
一瞬、間を置いた私は
「澤城くんは、あのこと覚えてなかったし、なにより全然、私に興味がなかった。」
そう言うと、私はため息をついた。