Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
「街で見掛けた澤城くんは、大抵、弟や妹と一緒で、いつも優しい笑顔で彼らを包んでた。でも学校での澤城くんは仏頂面で、本ばっかり読んでて、全然周りと交わらなくて、なんでかなぁって思ってた。佐久間くんと話してる時くらいだったもんね、笑顔だったの。」
その言葉に、ハッとした表情になる澤城くん。
「結局、話もほとんど出来ないまま、1学期が過ぎて、私達は席も離れてしまった。その後、卒業するまで、あなたとお話出来たのは、1回きり。佐久間くんのことがあった時、まぁあれは話したというより、澤城くんに怒られただけだったけどね。そこで2度と話し掛けて来るなって言われちゃって・・・。」
「・・・。」
「だから、それ以降は、あなたに近づくことさえ出来ずに卒業。高校は別々になって、そのうち、あなたの家は引っ越してしまって、もう連絡も取れなくなってしまった。」
「石原・・・。」
「だから言えず終いだった。そしたら、突然、
10年経った今年、再会した。」
私は、ここで改めて澤城くんを見た。
「嬉しかった。でも勇気がなくて、あなたになかなか近づけなくて・・・ずっと迷ってた。でも、決めました。言わせて下さい。」
「石原。」
なぜか遮るように、私の名前を呼ぶ澤城くんに構わず、私は言った。
「澤城くん、あなたが好きです。中学の時から・・・ううん小学生の頃から、ずっと澤城くんのことが好きだったんです。いろいろありました、でも、もしよかったら、私とお付き合いして下さい。お願いします。」
そう言って、頭を下げた私を、澤城くんは呆然といった雰囲気で見ていた。
その言葉に、ハッとした表情になる澤城くん。
「結局、話もほとんど出来ないまま、1学期が過ぎて、私達は席も離れてしまった。その後、卒業するまで、あなたとお話出来たのは、1回きり。佐久間くんのことがあった時、まぁあれは話したというより、澤城くんに怒られただけだったけどね。そこで2度と話し掛けて来るなって言われちゃって・・・。」
「・・・。」
「だから、それ以降は、あなたに近づくことさえ出来ずに卒業。高校は別々になって、そのうち、あなたの家は引っ越してしまって、もう連絡も取れなくなってしまった。」
「石原・・・。」
「だから言えず終いだった。そしたら、突然、
10年経った今年、再会した。」
私は、ここで改めて澤城くんを見た。
「嬉しかった。でも勇気がなくて、あなたになかなか近づけなくて・・・ずっと迷ってた。でも、決めました。言わせて下さい。」
「石原。」
なぜか遮るように、私の名前を呼ぶ澤城くんに構わず、私は言った。
「澤城くん、あなたが好きです。中学の時から・・・ううん小学生の頃から、ずっと澤城くんのことが好きだったんです。いろいろありました、でも、もしよかったら、私とお付き合いして下さい。お願いします。」
そう言って、頭を下げた私を、澤城くんは呆然といった雰囲気で見ていた。