Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
そんな雰囲気で、仕事をしているウチの課だけど、ゴールデンウィークが目前という現実には、逆らえない。
昼休みには一転、明日からの予定の話で、みんな花が咲いている。
千尋は、同期の子達数人と明日から出発する台湾旅行のことで盛り上がっている。私も誘われたのだが、台湾という目的地に興味がなかったので、お断りしてしまったのだ。
この日も、話題に加われず、黙々と食事をする私に、ハイテンションの千尋が聞いて来た。
「梓は結局、ゴールデンウィークはどうするの?」
「うん、買い物くらい、友達と行こうと思ってるけど、あとは家でノンビリかな。」
「なんだぁ。寂しいゴールデンウィークだな。だったら、私達と一緒に行けばよかったのに。」
「うん、なんか今年は遠出の気分じゃなくて。」
「そう言えば。」
そんな私に同期の1人が思い出したように聞いて来た。
「昨日、向かいのビルのカフェで、梓と例の澤城くんが2人で会ってるのを見たって人がいるんだけど、本当?」
「えぇ〜!」
途端にテーブルでは、驚きの声の大合唱。
「梓、それ、ホントなの?」
勢いこんで聞いてくる千尋の横で、私は冷静だった。会社の近くで会っていれば、誰かに見られても仕方ないなと思いながら。
「うん。ちゃんと言ってなかったけど、実は私と澤城くんって、中学の時の同級生なんだ。」
その答えに更に驚く周囲。
「だから、アイツ、最初から梓にあんな失礼な態度だったんだ。でもさ、何で今まで黙ってたの?」
「ごめん、なんか言いそびれちゃって。で、前から1度昔話でもしたいねって、話してて、都合が合ったのが昨日だったから。それだけだよ。」
本当のことは、言いたくなかったから、こんな言い方で誤魔化してしまった。
昼休みには一転、明日からの予定の話で、みんな花が咲いている。
千尋は、同期の子達数人と明日から出発する台湾旅行のことで盛り上がっている。私も誘われたのだが、台湾という目的地に興味がなかったので、お断りしてしまったのだ。
この日も、話題に加われず、黙々と食事をする私に、ハイテンションの千尋が聞いて来た。
「梓は結局、ゴールデンウィークはどうするの?」
「うん、買い物くらい、友達と行こうと思ってるけど、あとは家でノンビリかな。」
「なんだぁ。寂しいゴールデンウィークだな。だったら、私達と一緒に行けばよかったのに。」
「うん、なんか今年は遠出の気分じゃなくて。」
「そう言えば。」
そんな私に同期の1人が思い出したように聞いて来た。
「昨日、向かいのビルのカフェで、梓と例の澤城くんが2人で会ってるのを見たって人がいるんだけど、本当?」
「えぇ〜!」
途端にテーブルでは、驚きの声の大合唱。
「梓、それ、ホントなの?」
勢いこんで聞いてくる千尋の横で、私は冷静だった。会社の近くで会っていれば、誰かに見られても仕方ないなと思いながら。
「うん。ちゃんと言ってなかったけど、実は私と澤城くんって、中学の時の同級生なんだ。」
その答えに更に驚く周囲。
「だから、アイツ、最初から梓にあんな失礼な態度だったんだ。でもさ、何で今まで黙ってたの?」
「ごめん、なんか言いそびれちゃって。で、前から1度昔話でもしたいねって、話してて、都合が合ったのが昨日だったから。それだけだよ。」
本当のことは、言いたくなかったから、こんな言い方で誤魔化してしまった。