Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
当日は、俺が車を出し、石原、小川の順番に拾って、翔真の所に、向かうことになった。


GW2度目の俺の外出に、弟達は目を丸くしていたが、翔真絡みじゃ仕方がない。


石原の家の前に着くと、彼女は既に玄関の前で、待っていてくれた。


「おはよう。わざわざありがとうね。」


「いや、こちらこそ、待たせちまったかな?」


「大丈夫。時間ピッタリだよ、澤城くん。」


青を基調とした、初夏の装いの石原は、そう言って微笑む。初めて見る石原のプライベート姿に、俺の心は動揺しまくっているが、更に


「失礼します。」


と言って、当たり前のように助手席に乗り込んで来た石原に、俺の心臓はいよいよ暴れ出す。


「シートベルト頼むな。じゃ、出発するぞ。」


と必死に平静を装い、俺はアクセルを踏む。


「いい天気で良かったね。」


「ああ、翔真が歓迎してくれてるんだよ。」


小川の家までは、車なら5分もかからない。正直、このままアイツ置いて、どこか行っちまうか、と一瞬だが、マジで思ってしまった俺は酷い奴だ。


石原が連絡してくれて、小川も玄関を出て待っていてくれた。助手席の石原を見て、意味深な笑みを浮かべた彼女は、すぐに後部座席に乗って来た。


「おはよう、梓。サワ、今日はありがとう、よろしくね。」


と言う小川も、可愛いとは思ったけど、石原ほどは、ときめかない・・・って失礼。
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