Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
②
それから時は流れ、4月。私は社会人3年生になった。


そして今日から、新入社員が1週間の研修を終えて、それぞれの部署に配属されて来る。まだまだ新米気分の抜けない私だけど、また後輩が増えることになる。しっかりしなくちゃ・・・。


「イケメンくん、いるかなぁ。」


横でなぜか、ソワソワしてるのは、同期の内田千尋(うちだちひろ)。ウチの部には、男女各2名ずつの新入社員が配属されると聞いている。


どんな子達か、興味津々なのは、私も同じだけど、先頃、大学時代から付き合っていた彼氏と破局したばかりの千尋のハッスルぶりには、少々引いてしまう。


「落ち着きなよ。イケメンがいきなり現れて、ラブストーリースタートなんて、ドラマの見過ぎだよ。だいたい、後輩なんだから、年下じゃない。」


「年下、結構じゃない。2コ下なんて、全然守備範囲だよ。」


そう言って、目を輝かせている千尋に、ヤレヤレと思っていると、朝礼開始を告げるチャイムが流れて来た。
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