Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
⑮
GWが明け、出勤すると、千尋は既にデスクにいた。
「おはよう。」
「おはよう。」
そんな挨拶を交わしてると、うしろから
「おはよう。」
の別の声が。澤城くんだ。
「おはよう。」
私がそう返すと、少しはにかんだような笑顔を見せて、彼は自席に向かって行く。
「そう言えば、プチ同窓会は盛り上がったの?」
「お陰様で。千尋の方は、合コンの成果は?」
「女子の欠員が結局埋まらなくてさ。ちょっとね・・・。」
「ゴメン。」
「別に。梓のせいじゃないし。」
と言いながら、千尋の声はちょっと尖っている。なんとなく気まずい空気が流れる中、朝礼のチャイムが鳴る。
今朝は部合同朝礼。GWも明けて、いよいよ今日からは、改めて個々の業務に邁進願いたいとの訓示のあと、部長はこんなことを言い出した。
「尚、今日から両課の新人男子の所属を入れ替えます。澤城くんがマーケティング課、水野くんが企画課の所属になりますので、よろしくお願いします。」
意外な発表に、ザワつくオフィス。突然のことで、澤城くんも戸惑いを隠せない表情だ。
「では、本日も1日、よろしくお願いします。」
そのザワつきを断ち切るかのように、司会のウチの課長がそう言って、私達はそれぞれのデスクに向かう。
「ねぇ、どういうこと?」
「さぁ?どっちか、あるいは両方とも使えないからじゃない?」
「えっ?水野はしっかりやってたじゃないか。」
「じゃ、向こうのコミュ障くんか?」
「面倒臭いことにならなきゃいいけど。」
周囲で交わされる容赦ない会話に、私は心配になって来る。
「おはよう。」
「おはよう。」
そんな挨拶を交わしてると、うしろから
「おはよう。」
の別の声が。澤城くんだ。
「おはよう。」
私がそう返すと、少しはにかんだような笑顔を見せて、彼は自席に向かって行く。
「そう言えば、プチ同窓会は盛り上がったの?」
「お陰様で。千尋の方は、合コンの成果は?」
「女子の欠員が結局埋まらなくてさ。ちょっとね・・・。」
「ゴメン。」
「別に。梓のせいじゃないし。」
と言いながら、千尋の声はちょっと尖っている。なんとなく気まずい空気が流れる中、朝礼のチャイムが鳴る。
今朝は部合同朝礼。GWも明けて、いよいよ今日からは、改めて個々の業務に邁進願いたいとの訓示のあと、部長はこんなことを言い出した。
「尚、今日から両課の新人男子の所属を入れ替えます。澤城くんがマーケティング課、水野くんが企画課の所属になりますので、よろしくお願いします。」
意外な発表に、ザワつくオフィス。突然のことで、澤城くんも戸惑いを隠せない表情だ。
「では、本日も1日、よろしくお願いします。」
そのザワつきを断ち切るかのように、司会のウチの課長がそう言って、私達はそれぞれのデスクに向かう。
「ねぇ、どういうこと?」
「さぁ?どっちか、あるいは両方とも使えないからじゃない?」
「えっ?水野はしっかりやってたじゃないか。」
「じゃ、向こうのコミュ障くんか?」
「面倒臭いことにならなきゃいいけど。」
周囲で交わされる容赦ない会話に、私は心配になって来る。