Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
⑯
また、季節が流れた。暑かった夏もようやく盛りが過ぎようとしている。
あれから、私の日常に特に変化はない。日々の業務に追われる毎日。
澤城くんは、結局あのまま、マーケティング課に正式配属となり、私とは完全に同僚となった。
彼とは良き仕事仲間。自らをコミュ障と言う澤城くんだが、毎日一緒に仕事をしていると、そんな風には決して思えない。
別に仕事上のコミュニケーションに、不都合を感じたことはないし、冗談を言って、私達を笑わせることもある。
仕事に取り組む姿勢も真摯だし、何より能力が高い。私なんか、到底及ばない。
ただ、勤務時間外では、一切、職場の人間と接触を持とうとはしない。そういう流儀なのだ、そういう奴なんだと、周りに認められてしまえば、それはそれで、軋轢なんかも起こらなくなる。
ただ千尋だけが、相変わらず、なぜか彼としっくりいかない状況が続いている。
私も、彼との間には特別何もない。避け合うことは当然ないし、逆にあれから「プチ同窓会」も開催されてない。ごくごく普通の同僚として、毎日過ごしている。
そう言えば、この前、お互いの希望で久しぶりに健吾くんと栞菜ちゃんと会った。
「2人とも大きくなったねぇ。」
私は思わず、親戚の叔母さんのようなセリフを吐いてしまった。
健吾くんは先頃、めでたく就職の内定が出たそうで、栞菜ちゃんは20歳になって、彼氏との仲も順調だそう。
澤城くんは不参加だったが、3人でいろいろ積もる話をして、1日を過ごした。
あれから、私の日常に特に変化はない。日々の業務に追われる毎日。
澤城くんは、結局あのまま、マーケティング課に正式配属となり、私とは完全に同僚となった。
彼とは良き仕事仲間。自らをコミュ障と言う澤城くんだが、毎日一緒に仕事をしていると、そんな風には決して思えない。
別に仕事上のコミュニケーションに、不都合を感じたことはないし、冗談を言って、私達を笑わせることもある。
仕事に取り組む姿勢も真摯だし、何より能力が高い。私なんか、到底及ばない。
ただ、勤務時間外では、一切、職場の人間と接触を持とうとはしない。そういう流儀なのだ、そういう奴なんだと、周りに認められてしまえば、それはそれで、軋轢なんかも起こらなくなる。
ただ千尋だけが、相変わらず、なぜか彼としっくりいかない状況が続いている。
私も、彼との間には特別何もない。避け合うことは当然ないし、逆にあれから「プチ同窓会」も開催されてない。ごくごく普通の同僚として、毎日過ごしている。
そう言えば、この前、お互いの希望で久しぶりに健吾くんと栞菜ちゃんと会った。
「2人とも大きくなったねぇ。」
私は思わず、親戚の叔母さんのようなセリフを吐いてしまった。
健吾くんは先頃、めでたく就職の内定が出たそうで、栞菜ちゃんは20歳になって、彼氏との仲も順調だそう。
澤城くんは不参加だったが、3人でいろいろ積もる話をして、1日を過ごした。