Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
「ウチの社食は美味すぎるのが、難点だな。」
取引先を出て、目についたレストランに入って、一緒にランチを食べていると、突然課長がそんなことを言い出した。
私が?という視線を向けると
「このランチだって、それなりに安いけど、社食ならこの七掛けくらいの値段で、これより美味い飯が食える。それなら社食で食いたくなるよ。でも社食で飯食ったって、そこにはなんの情報も転がってねぇからな。」
うわぁ、そう言うことか。美里が変なこと言うから、実は今日はちょっと意識しちゃって、ドキドキしたりしてんだけど、ここまで仕事目線ばかりだと、ちょっと引いちゃうなぁ・・・なんて思っていると
「石原は仕事好きか?」
と突然のお尋ね。
「は、はい。好きです。」
慌ててそう答えた私は
「課長ほどじゃないですけど。」
と言わずもがなことを付け加えてしまった。
「そうか。」
その私の答えを聞いて、苦笑いを浮かべた課長はすぐに表情を改めた。
「まぁ仕事は確かに嫌いじゃないが、俺は人間が好きなんだ。人と接することが、人を見ることが大好きなんだよ。」
私をまっすぐに見て、課長は言う。
「だって、面白いじゃねぇか。人それぞれ千差万別、いろんな個性があってさ。こういう時に、こうすればこうなる、こういう反応を示すなんて、方程式はないんだから。だから考える。飽きないよな。本当に飽きない。それはプライベートだっておんなじだろ?」
「はい・・・。」
「その楽しさを澤城にも教えてやりたいと思ってるんだけどな。」
「えっ?」
突然澤城くんの名前が出て来て、驚く私。
「アイツにどれだけ伝わってるかは、わからないけどな。」
そう言うと、課長はまた苦笑いを浮かべた。
取引先を出て、目についたレストランに入って、一緒にランチを食べていると、突然課長がそんなことを言い出した。
私が?という視線を向けると
「このランチだって、それなりに安いけど、社食ならこの七掛けくらいの値段で、これより美味い飯が食える。それなら社食で食いたくなるよ。でも社食で飯食ったって、そこにはなんの情報も転がってねぇからな。」
うわぁ、そう言うことか。美里が変なこと言うから、実は今日はちょっと意識しちゃって、ドキドキしたりしてんだけど、ここまで仕事目線ばかりだと、ちょっと引いちゃうなぁ・・・なんて思っていると
「石原は仕事好きか?」
と突然のお尋ね。
「は、はい。好きです。」
慌ててそう答えた私は
「課長ほどじゃないですけど。」
と言わずもがなことを付け加えてしまった。
「そうか。」
その私の答えを聞いて、苦笑いを浮かべた課長はすぐに表情を改めた。
「まぁ仕事は確かに嫌いじゃないが、俺は人間が好きなんだ。人と接することが、人を見ることが大好きなんだよ。」
私をまっすぐに見て、課長は言う。
「だって、面白いじゃねぇか。人それぞれ千差万別、いろんな個性があってさ。こういう時に、こうすればこうなる、こういう反応を示すなんて、方程式はないんだから。だから考える。飽きないよな。本当に飽きない。それはプライベートだっておんなじだろ?」
「はい・・・。」
「その楽しさを澤城にも教えてやりたいと思ってるんだけどな。」
「えっ?」
突然澤城くんの名前が出て来て、驚く私。
「アイツにどれだけ伝わってるかは、わからないけどな。」
そう言うと、課長はまた苦笑いを浮かべた。