運命が紡いだ物語
それから、私たちは近くにあったお店に入った。

「近くに住んでて遊んでもらったことがあるだけなのに、お墓参りに行く?」

私は翔大をからかっていた。

翔大の言い訳がちょっとぶっ飛んでて面白かったから・・

「しょうがないだろ?それしか思い浮かばなかったんだから。
そういってる花だって、黙りこくってたくせに。」

「ごめんって。でも助かったよ。いろいろありがとね。付き合ってくれたことも含めて。」

翔大がいなかったら、どうなっていたことか。

私はそれを思うと頭が上がらなかった。

「いや。いいって。ていうかビビったよな。まさか妹さんに会うなんて。」

「うん。私からしたら叔母にあたるんだよね。
望月さんだっけ?
話してみたいような気もするし、なんか怖い気もするしでなんか動揺しちゃった。」

ほんとは望月さんに聞いてみたかった・・

父さんと母さんがどんな人だったのか・・

でも、知っても結局傷つくだけなのかもしれない。

そう思うと、これでよかったんだと思えた。

「まぁ、あんなにいきなり会うと動揺するよな。」

「うん・・。」

私たちはそんな話をしながら店を出た。
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