運命が紡いだ物語
「花。大丈夫?」

大丈夫じゃない・・

でも、本音を言ったら泣いてしまいそうだから、

私は精一杯強がった。

「・・う・・うん。」

「ごめんね。お待たせ。これ。」

望月さんがそう言って渡してきたのはノートのようなものだった。

「これは?」

「姉さんがつけていた日記よ・・。
あみちゃんが生まれた日からつけ始めて、姉さんは亡くなる前の日までつけてたの。
わたしも読ませてもらったけど、あなたも読むといいわ。
それからこれ。
わたしもこんな手紙を受け取って、その中にあなたといつか会えたらこの日記と手紙を渡してほしいって書いてあった。
だからこれ持ってって。」

「ありがとうございます。」

「あなたには、つらいことばかり伝えてしまって・・
ごめんなさいね。
でも、これだけは信じて・・、
あみちゃんは本当に大事に、大切に育てられた。
お父さんからも、お母さんからも愛されて育てられた。
これだけは忘れないでいて・・」

私はもう、涙をこらえるのが限界だった・・

「はい・・
私そろそろ帰ります。」

そう言って私は席を立った。

今、望月さんに涙を見られたくない・・
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