運命が紡いだ物語
＊5章 つらい日々

決意

はぁー・・・。

私はため息をついた。

気を抜くとまた涙があふれてくる。

こんなにつらい思いをするくらいだったら、

翔大や望月さんの言った通り知らなければよかったのかもしれない・・。

陽向のお母さんの担当医が実の父親かもしれないって思った時、

自分のために真実が知りたいって思った。

ずっと、もやもやした心を抱えながら陽向といるのは自分がつらいから・・。

でも、いつからか自分のためじゃなくなってた。

陽向のために知りたいって思ってた。

陽向はずっと自分を責めていたから・・

陽向の心を救いたかったから・・

けど、現実はそんなにあまくはなかった。

真実は私にとっていや陽向にとってもとても残酷なものだった。

知らないほうが私も陽向も幸せになれたのかもしれない。

でもすべてを知った今、何にも知らないふりをして陽向と付き合い続けることはできない。

かといって、すべてを陽向に打ち明けたら陽向を傷つけてしまうかもしれない。

私のせいで陽向をこれ以上傷つけたくない。

それだけは絶対に嫌・・

だから、
とてもつらいけど・・

私は陽向と別れる。
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