運命が紡いだ物語
「正平が、最期に話してくれたのよ・・。
いつか陽向に聞かれたときはすべて話してほしいって・・。」

正平というのが俺の父さん。

すべて・・。

俺の不安は募るばかりだった。

「新井先生が主治医だってことはもう知ってるわね?」

「うん。」

そのことも花に話した。

とってもいい先生だったって・・

俺は

母さんの死んだ日の話を初めて父さんから聞いたとき、

『新井先生がもっと丁寧に診察してくれていれば母さんは死ななかったの?』

って父さんに聞いた。

でも、父さんは・・

『新井先生は悪くない、俺は信じてる』

って言ったんだ。

だから俺も新井先生を疑うのはもうやめた。

疑っても何にも変わらないから・・
< 335 / 401 >

この作品をシェア

pagetop