運命が紡いだ物語
休み時間。

「今日お弁当忘れたー。」

くりくりした目をうるうるさせながらやってきたのは

私の中学からの親友、

坂下結愛(さかしたゆあ)。

茶髪にゆるく編んだふわふわの三つ編みがトレードマークで、
かわいくて人懐っこい性格の持ち主だ。

「昼休みに一緒に購買行かない?
私、行ってみたかったんだ!」

「ほんと?
ありがとー。」


ギューッ


そう言って私に抱きついてきた結愛は隣の人を見て驚いたような表情をした。

「えっ、咲野君?
花の隣だったんだー。」

えっ・・?

結愛知ってたんだ・・。

「結愛この人知ってるの?」

隣に聞こえないくらいの声で
私は結愛に聞いた。

「知ってるも何も前の席で私の後ろだったじゃん。
本当に花は人に興味がないよね、こんなにイケメンなのに。
咲野陽向って名前だけでももう
学年で有名だよ!?」

そうだったけ・・?

そういえば見たことあるかもと思いながらも、

結愛の言う通り人に興味のない私は

咲野陽向(さきのひなた)

という名前だけを頭にインプットした。
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