運命が紡いだ物語
咲野君の言った言葉が頭から離れない。
『俺も牧原さんの大切な人になりたい。』
どういう意味で言ったんだろう?
あれから、ぼーっとしていた私が教室に戻ったのは5時間目が始まるギリギリだった。
5時間目の授業が終わると、結愛はすぐに私のところに来て誰もいないところへと連れ出した。
「結愛、どうした?」
何の話か大体わかっているけど・・。
私は緊張して手を強く握りしめた。
「翔大に告白された。」
あまりにも無表情で言う結愛を見て、私は少し困惑した。
結愛は、翔大が好きじゃなかったのかな・・?
ダメだったのかな・・翔大。
「それで?」
「私も好きだよって言った。
・・・付き合うことになった!」
えっ・・
好き・・?
付き合う・・・・
えーーーーーーー!!
「ほんと?おめでとうーー!!」
私はほんとにうれしくて結愛に抱き着いた。
よかった・・。
結愛も翔大のこと好きだったんだ・・・。
気づくと私は泣いていた。
「花?どうしたの、何で泣いてるの。」
「うれしくて、すごくうれしくて・・・。」
二人が付き合うなんて・・。
ほんとうにうれしい。
「そっか・・、ありがとう。
花が喜んでくれて私もうれしいよ。
・・・花はどうなの?
ほんとに咲野君とはなんもないまま?」
「・・わ・・私はなんもないよ。」
いきなり咲野君の名前が出てきて少し動揺しながらも私は咲野君との関係を否定した。