小指
球技大会
「何で?
どうして…
うまくいかないのさぁ~」
相変わらずボールは
変な方向へと飛んでいく
苛立った私は足をばたつかせながら
体育館の床を蹴った
昼休みを利用して
球技大会の練習をしているグループが
たくさんいる
ここにいる全員が
上手に見えて
悔しい!
「陽ちゃん、どうしたら
思い通りにボールを
打てるかなぁ…」
泣きついてみる
陽ちゃんは首を傾げると
「う~ん」と
低いうなり声を出した
「フォームはいいよ
だから打てるはずなんだけど…」
「重心を落としてみたら」
後ろからの声に振りかえると
智くんが白いボールを持って
立っていた
「バスケの練習はいいんですか?」
クラスメートなのに
なぜか
敬語になってしまう
智くんて
すごく大きくて
同じ年なのに
遠い人に見えてしまう
「球技大会が近付いてるから」
「でも夏の大会が控えているのに」
「主役は3年だから」
「すみません」
「気にしないで」
どうして…
うまくいかないのさぁ~」
相変わらずボールは
変な方向へと飛んでいく
苛立った私は足をばたつかせながら
体育館の床を蹴った
昼休みを利用して
球技大会の練習をしているグループが
たくさんいる
ここにいる全員が
上手に見えて
悔しい!
「陽ちゃん、どうしたら
思い通りにボールを
打てるかなぁ…」
泣きついてみる
陽ちゃんは首を傾げると
「う~ん」と
低いうなり声を出した
「フォームはいいよ
だから打てるはずなんだけど…」
「重心を落としてみたら」
後ろからの声に振りかえると
智くんが白いボールを持って
立っていた
「バスケの練習はいいんですか?」
クラスメートなのに
なぜか
敬語になってしまう
智くんて
すごく大きくて
同じ年なのに
遠い人に見えてしまう
「球技大会が近付いてるから」
「でも夏の大会が控えているのに」
「主役は3年だから」
「すみません」
「気にしないで」