Black Sapphire 1【大幅改変&更新中】
「…サクラ」
リョウくんは、泣いてる顔を見せまいと俯いたままの私をタクシーから抱き上げそのまま最上階まで上る。リビングに入りソファーに私を横抱きにしたまま座ると、ただ一言
「…頑張ったな。もう声上げて泣いていいぞ」
頭を撫でて優しく抱きしめながらそう言った。私はその声を合図として、声を上げてひたすら泣いた。…まるで赤ん坊に戻ったように。
自分の無力さ、不甲斐なさ、弱さをひしひしと感じて、それを全て流すかのように涙を流し続けた。
泣いている間、リョウくんはただ黙って私を暖かく包んでくれた。
数分後ようやく落ち着き、私はようやく周りの状況を知る。アズサちゃんの家の中にはソファーに座っている私たち以外に、ダイニングテーブルで真剣な表情で話すユウくんとチヒロくん。