Black Sapphire 1【大幅改変&更新中】
あの日の記憶
何故ここまで『Ruby』に警戒するのか…それは、この集団が"狂った集団"と呼ばれているからである。『Ruby』の町は、薬の蔓延が目立ちメンバーはナイフを常備、ついには警察も介入しなくなったと言われている。『Ruby』の町に足を踏み入れたら終わり…生きては帰れない、というのがこの街の暗黙の了解である。
『Sapphire』にとって『Ruby』は仇である。理由を少し話そう。
ここがDAZと呼ばれ始めた頃の事。俺達はまだ中学三年生で『Sapphire』の下っ端として活動していた。この頃は喧嘩は日常茶飯事で、まだまだ非力だった俺らは傷を作らない日はなかった。
その中でも先代のリーダーは俺達の頭を乱暴に撫でながらこう言ったのだ。
「このキズはな、お前達が強くなった証だ。決して弱さの証明じゃない」