Black Sapphire 1【大幅改変&更新中】
「もう二度と大切な人を失わないように、もう二度とあんな出来事が起こらないように。先代が遺した思いを受け継いで、何がなんでもこの町を守ると」
成瀬の言葉一つ一つが重く伝わってきた。こんなにも説得力があるのは、実際に経験したからなのだと納得した。
「貴女にお願いがあります。」
鳳も…鳳だけでなく全員が私を真剣な目で見つめる。
「俺達はこの町を守りたい。先代の遺志とこの町に住む皆のために。だから、無理を承知で言います…俺らに力を貸してもらえませんか?俺達も貴女を守りたい」
…あぁ、本当に無茶だな。仮初の私と関わろうなんて。私は怖かったんだろう、記憶がないことを理由にして他人を遠ざけて。どうせ居なくなる存在なのだから、と言い聞かせていたのだ。