Fall -誘拐-
「東条さん、タクシー拾いましょうか?」
「そうだね。歩いて行くにはちょっと遠いな。」
ファミレスを出た後、
大通りに出ようと進路を変える。
タクシーを拾いに先に小走りで向かった西平君に続い・・・・・・
“ドクン!!!”
「!?!?!!?」
・・・・・・・・・あれ・・・・?
左胸の鼓動がつま先から頭まで駆け巡った後、西平君の背中から・・・
アスファルトへと視界が急変した。
“ドクン!!!”
“ドクン!!!”
“ドクン!!!”
“ドクン!!!”
“ドクン!!!”
「・・・・・ガッ・・・・・・!!」
「東条さん!!!しっかりしてください!!!・・・東条さん!!」
バカ・・!私に構わずに・・・早く・・
逃走したアイツを終え・・!
「東条さん!!!」
「・・・・・ヒュー・・・ヒュー・・・。」
・・・・こんな時に・・・・
せっかく・・・ようやく・・・
糸口を見つけたのに・・・・
「・・・・・逃がすな・・
西ひ・・・・ら・・。」
・・手帳が無い・・・。
・・アイツ・・・
逃げる時に抜き取ったな・・・・。
「すぐに救急車・・・!!」
・・・・神様・・・・。
あと・・ちょっとだけ・・
喋らせてくれますか・・・?
「西平く・・ん・・・・。」
「スッ・・スッ・・東条さん・・
どうして・・・!!!」
「東京へ行け・・・!」
「・・!?」
「共犯者達は・・全員・・
都内にいるはずだ・・・・。
警視庁の刑事に・・この話を・・!!」
「・・・スッ・・ヒック・・スッ・・・
東条さん以外に・・・僕の話を聞いてくれる人なんていませんよ・・。」
「大・・丈・・・・・・・・・・・。」
「東条さん・・?・・東条さん!!!!」
・・・大丈夫だ・・・。
きっと・・・君の力になってくれる刑事が・・・・・必ず・・・・