Fall -誘拐-
「あいつが・・あいつがリカさんを!!」
『今、神野くんが徳永先生と接触しています。』
「状況証拠しかありませんが・・
あいつは自供するでしょうか・・?」
『いえ、間違いなく自供しないと思います。
だから神野くんには、“絶対に尋問しないように”と釘を差しています。』
「・・・・?」
『とても優秀な私の自慢の部下です。
今頃きっと本人に気付かれないよう、
【GPS付き盗聴器】
を装着させたはずです。』
「奴を泳がせて・・・・
リカさんの監禁場所へ・・!?」
『念の為ダメ押しもしておきました。
目には目を。
当時、徳永先生がA~Dにそうさせたように、私から神野くんへ台本を渡しています。
大嘘の推理を聞かされた徳永先生は、
“これでもう自分に疑いがかかる事は絶対に無い”と油断するはずです。』
「・・・・月本警部・・・
・・・我々もすぐに・・!!」
『こちらからもぜひお願いします。
今こそ犬と猿が手を携える時。
あなたの立場と権限を発揮する時です。
神野くんの元へ、神奈川県警の精鋭達を派遣して頂けますか?』
「はい・・!!!」
『・・ナワバリ意識やプライド。
そんなつまらない物は今すぐ捨てて、
私達の心に宿す、
信念を果たしましょう。』
第12章 完