Fall -誘拐-
病院の中へ入って、
しらみつぶしに探し回る。
診察室でもなければ、入院病棟でもなければナースステーションでもない。
これだけでかい病院の・・
あれだけの名医だ・・・・。
恐らくどこかに、徳永だけに与えられた研究室のような場所があるはず・・!
『今、病院内の案内図を見ています。
外来診療棟よりも、
臨床検査棟が怪しいかもしれません。』
「・・・・そこって・・
地下の表示はありますか?」
『いえ・・1階~3階フロアの案内になっています。』
「・・・・・・・・・・・。」
目の前に“これより先 関係者以外 立ち入り禁止”の立て看板が現れた。
その先に・・下り階段が続いている。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
吸い寄せられるようにその看板を越えて階段を降りた。
薄い蛍光灯に照らされ、
深夜の病院というシチュエーションに映える暗さの中、1階から地下へと降り・・
「・・・・・・・・・!?」
降りた先、掌サイズの黒いタッチパネルが横に配置された自動扉が現れる。
たぶん・・指紋認証だな・・・。
その前に立つが、
当然のように扉は開かなかった。