Fall -誘拐-
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
シンプルなさっきの部屋と打って変わり、
まるで手術室のようにたくさんの機材、注射器、中身の知れない液体が入った透明の袋。
様々な医療道具が並べられている中・・・真っ白なベッドが一つ置かれていた。
「・・・彼女がリカさんです。」
「・・・・・生きてるのか?」
「ご安心下さい。ここは病院ですから。」
点滴を受けていると一目で分かる程、
腕には何本もの管が付けられている。
そのベッドには・・リカさんが眠っていた。
俺が知っているのは20年前の・・
誘拐当時の捜査資料に写る彼女。
それでも、その女性が20年の歳を重ねたとはっきり分かる・・
見た目の美しさは全く変わっていなかった。