Fall -誘拐-
「そこまでして・・なんでだ・・?
どうしてリカさんを狙った!?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・神野刑事、
勘違いして頂きたくない。
私が欲しかったのはリカさんではありません。」
「・・・?」
「彼女はあと2年で・・ようやく待ち望んだ・・・私が欲していた究極となります。」
「2年・・・?・・・45歳・・・。
・・・・・・!!?」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・アイさんか・・?」
「・・・・・・・・・・。」
「あんた・・・どうしようもないサイコパスだな。」
「私がこの病院に赴任した時、そこには運命的な出会いが待ち受けていた。
歳の差なんて関係ない。
医者と患者という立場も関係ない。
しかし、その出会いには既に永遠の愛を誓ったパートナーがいた。
出会った時には既に他の男の所有物となっていた。
だったら・・・その血を引く娘を私が貰い、
その出会いのクローンとして私の所有物になってもらう。
・・・当然の考えだと思いますが?」
「!!?」
・・・・俺の馬鹿野郎・・・・。
“油断”以外の何物でも無い。
リカさんが眠るベッドを見つめる中、
撃鉄を上げる音と、銃口を押し付けられる感触が背中を伝った。