Fall -誘拐-


―――――― 


“プルルルルル プルルルルル”


「黒部さん。先程のように、

聞き取りづらかったりしたら、
遠慮無く犯人にぶつけてやってください。

下手な揺さぶりに飲まれて、
落ち着きを忘れないように。」


「は、はい・・・。」


「何かあったらすぐに代わります。」





「もしもし、黒部です。」


<喫茶店を出た後、今から言う住所にあるファミレスへ向かえ。

横浜市 保土ケ谷区・・・>



3回目の電話となると、
さすがに向こうも淡々としてきたか・・。

伝えてくるのは住所だけか・・・?



<更にファミレスから移動してもらう予定だ。

時間と場所は次の電話で伝えるからまだそこを動くな。>



更に移動を続けさせるつもりか・・。



「あの・・お願いします・・!

リカを・・リカの声をもう1度聞かせてください!!」


!!?
・・しまった・・・・・。

黒部さんがボリューム上げた声で、
受話器を強く握った。

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