Fall -誘拐-
「“リカさんはきっと生きている”
“私は絶対に諦めない”
“必ず犯人を捕まる”
・・・神野さん。勝手なお願いを言っているのは分かっています。
西平ヤスシがリカさん誘拐を告白した今、
再びあの事件の捜査ができる大きなチャンスが訪れた。
公に神奈川県警と警視庁が協力する事は出来ませんが、
今の私の立場・権限は惜しみなく発揮します。
どうか・・東条さんの正義を果たすのを手伝って頂けないでしょうか・・?」
全国の所轄、方面本部、
それからここ警視庁。
あらゆる部署からの応援要請がまずは平松刑事部長他、幹部の元へ届き、
そして内容吟味された上でこの捜査6課に降りてきて・・
最終的にはヒデさんの判断で受けるか受けないかが決まる。
だがこれは、そんなことを無視した“直訴”と言ってもいい。
新谷本部長の涙に、
そして東条警部の正義に・・
“No”という答えはありえなかった。
“ありがとうございます”と俺に頭を下げた新谷本部長が、
一緒に持ってきた段ボール箱を俺に渡してくれる。