Fall -誘拐-
『もし捜査攪乱が目的だったとしたら、
もしかしたら逆探知が“7分”で出来る事も本当は知っていて、
あえて“15分”の話題を出したかもしれません。』
「ヒデさん。あんたの指針に反するが、
また“勘”で言ってもいいですか?」
『どうぞ。』
「2回目以降、
東条警部からの質問を禁じたのは、
2回目以降は共犯者達に電話をかけさせる事になるから、
“ボロを出すかも”
ってビビったんじゃないか?」
『大いにあり得ますね。
“犯人は複数犯”と仮定して、
1度おさらいしましょう。
まず1回目に電話をかけた人物が主犯。
その人物が実際にリカさんと行動を共にしていた。』
「2回目は共犯者A。
もしかして嫌がらせじゃなくて・・
“緊張して”早口になったのかもな。」
『3回目は共犯者B。
黒部氏に“リカの声をもう1度聞かせて欲しい”と懇願されても、
リカさんは主犯の所にいるので叶えられなかったんでしょうね。』
「ちょっと待った。複数犯って言っても、
何人共犯者がいる仮定ですか?」
『辻褄が合う・・
私達が納得できる人数です。』
「・・了解。
じゃあ4回目と5回目は共犯者C。
多分、東条警部が電話に出たから、
“番号を間違えた”と思ったかもしれない。
それで一度電話を切って、
あのグダグダ感が生まれた。」
『6回目はグレーですね。主犯かもしれないし、A~Cの誰かかもしれません。』