Fall -誘拐-
「・・・・・・・・!!!!!
・・・・・あっ!!!!!!?」
『神野くん・・・。
いつもの仕返しですか?
鼓膜が破れるかと思いましたよ。』
「ヒデさん!!6回目は共犯者Dだ!!」
『・・・・?・・何故ですか?』
「分かった!“きほう”の意味が!」
『今すぐ教えてください。
早く教えてください。
これでようやく動悸が治まります。』
「1~6回目の電話。
複数人が電話をかけたはずなのに、
口調、言い回しは一貫されていた。」
『確かにそうです。
変声機も統一されていたのも相まって、
まさか複数人いるとは・・
同じ人物が電話を掛けていると思い込まされていました。』
「恐らく最初から何を言うか決まっていた・・【台詞】が決まっていたんだよ!」
『続けてください。』
「主犯が共犯者に対して、
指示を出していたとしたら・・・?」
『・・・・・・・・理解しました。
20年前の時代背景を考えると、
伝達手段はメールでもLINEでもTwitterでも無く・・。』
「“紙”に台詞を書いて、それを共犯者達に渡したって考えるのが自然だ。
恐らく・・6回目の電話を掛けた人間は漢字がろくに読めないバカだった。
だから“貴方”の事を“きほう”と読み間違えて、電話で朗読した。」
『主犯、A~Cの連絡内容から考えると、
貴方を読み間違えるミスは犯さない・・つまり、Dもいたという事ですね。』