溺れるほどの愛を

一粒のキスを私に落として琳は
倒れた。
涙が溢れた。
死んだ事を理解出来ない。

「ねぇ、琳????」

「莉音ちゃん」

「琳、返事して…ねぇ?琳???どうしたの???」

「おい」

「琳なんで目瞑ってるの?まだ夜じゃないよ??琳?」

涙が止まらない。
琳を抱く力が強くなるのに
琳からは温もりがどんどん消えていく。
こんなおわかれするはずじゃなかった。
もっと先、おじいちゃんおばあちゃんになってからだよね???

そんな事を考えていると
後ろに引っ張られ
琳と離れ

「おい、いつまでそうしてるつもりだ?お前の彼氏は俺だ。惨めったらしく元彼に縋るな。」

「ねぇ、なんで琳起きないの?」

「死んだからだろ」

「死んでなんか居ないよ?」
< 63 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop