溺れるほどの愛を

「名前とかって分かりますか?」
「名前?」
「その子が位牌に向かって呼んだ名前です」
「待ってね、んーなんだったかなぁ、りーなんとか、りはついている気がするわ」
「ありがとうございます。」

莉音だ。
莉音がここにいる

「それがどうかしたの?」
「あ、いえ、気になったもので」
「そう」

俺もここで莉音と生きて行こう。

「お父さーん」
「此処にいるよ」
「思ったより近くにいたわね」
「で、どうしたんだい」
「この子さっきあの子の買った山から下りて来たのよ」
「ほお、あの子の?」
「そうそう、挨拶でもと思って。あと!これ。今日煮たかぼちゃ」
「持って行くかい?」
「お願い。」
「じゃあ、___ちゃんへもっていけばいいかい?」
「そうね」
「待ってください、今なんと?」
「え?」
「あの子の名前___」

聞き間違いじゃない?
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