midday crow
するり、と最後に髪を梳いて、太陽が身を離す。

紅羽もそっと腕から手を離した。

正面にある太陽の顔は、はにかむような照れたようなものだった。

きらめきをまとっているように見えて、今さら紅羽はどぎまぎした。

「紅羽」

「うん?」

「他の曲も、紅羽と作りたい」

「え……」

「紅羽に俺の気持ちを預けてもいい?」

太陽の曲は、太陽の心そのもの。

絡まり合い、途切れて、結びつく、彼の心を切り取ったもの。
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