midday crow
そしてきっと三人とも、今はない太陽のギターを思い浮かべている。

太陽のギターと歌は、烏の血潮そのもの。

体中に張り巡らされた血管を、力強く流れていく。

その源の存在、心臓を担うことができることを、彩人は誇りに思っている。

バンドの中核、彩人のリズムに皆が身を預けてくれる。

それを喜びに思いながらスティックを暴れさせる。

三人また目を見交わして、曲を締める。

余韻を残しながらも訪れた静寂の中で、顔を見合わせる。

こうやって、曲を重ねるごとに、互いのことをわかっていく。
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