midday crow
「……おー……」

ぱちぱち、と手を叩いたのは太陽だった。

「……まともに聴いたら歌詞飛ぶんじゃなかったの?」

「飛んだ飛んだ。綺麗に飛んだ」

彩人の問いをあっさり肯定して、太陽は満面の笑みを浮かべてみせる。

「飛んだ飛んだって……そんな簡単に」

「飛んだけど、もっといい歌詞が思い浮かんだから大丈夫」

太陽はこちらをしっかりと見ている。

床にあぐらをかいている彼は、三人の顔を順繰りに見て、嬉しそうに笑った。
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