midday crow
風を切り裂く翼が太陽の光を帯びる。

脈拍と羽ばたきがシンクロして、烏はどんどん太陽に近づく。

こ、れは……。

紅羽は必死だった。

三人で合わせたときとは、なにもかも違う。

太陽は熱そのものだった。

弾丸となった炎に喰らいつくのに必死だった。

周りを見る余裕もないが、多分焔と彩人も同じだ。

気を抜けば、置いていかれる。

いや……持っていかれるのか?

太陽に、全てを。
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