midday crow
あ、と紅羽は半眼になった。

これは知っている、知っているぞ。

大声は一つの教室から聞こえてきていた。

揉めている、わけではない。

勉強を教え、教えられている二人組だ。

傍から聞いていればただの漫才なのだが、本人たちはあれで本気なのだから面白い。

いや、面白がっている場合ではない。

交ぜてもらおう。もともとうるさいなら、ちょっとくらいうるささが増しても大丈夫だろう。

彩人と紅羽は太陽の腕を掴んでいるので、焔が横開きの扉を開けた。
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