midday crow
太陽はそれを気にして、変に口ごもっていたのだろう。

「……でも、作曲したいんでしょう?」

「え。……うん」

「じゃあするよ」

そもそも紅羽の側からしてみれば、特になんの気持ちの揺れもない。

あっさり言ってのけると、むしろ太陽のほうが微妙な顔をした。

なんで太陽がそんな顔になる?

どことなく悲しそうで、嫌そうでもあり、拗ねているようにも見える。

彼を見て紅羽は眉を寄せてしまった。

ちらりと彩人の顔が視界に入った。

呆れたような顔をしている。

なにかをわかっているようで、紅羽は少しいらっとした。
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