midday crow
不安を一滴垂らしたような、困惑した顔を焔が見せている。

鈍感ではあるものの、強ばった空気感に、うっすら勘づいているようだ。

彩人は……ひどく曖昧な顔をしている。

口を出すべきか出さないべきか、逡巡のすえ見守っている、というような雰囲気だ。

ともあれ、作曲である。

太陽は、鞄からノートを取り出した。

彼が一年前から使っている、歌詞や思いついたことを書くためのものである。

最新のページを開いて紅羽に渡した。

「前とは違って、今回は歌詞のほうが先にできて。……光輝のことを考えてたら、いつのまにか」

「ふうん」

紅羽はあっさりと相槌を打ち、ノートを受け取って読み始めた。
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