midday crow
むむう。

と太陽は眉根を寄せる。

なんだか……なんとも言えないのだが……唇を尖らせたいような気分である。

あっさりしすぎてはいないか。

自分の前にバンドを支えていたキーボードへの、結構実が詰まった歌詞だぞ。

今の自分はどうなんだとか、前のほうがよかったのかとか、少しは思ってもいいんじゃないか。

そうしたら、今は紅羽一筋だと言えるのに。

「……へえ。だいぶ……感情的な歌詞だね。太陽くんらしくていいと思う」

素直に褒めて、紅羽はノートを太陽に返す。

むむう。

太陽は口を膨らませながら、ノートを受け取った。
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