midday crow
太陽が思っていることを察していたなら、教えてくれたらよかったのに……。

まあ、知っていても、やきもちとかいう反応をできた自信はないが。

紅羽は頭を抱え込みたくなる。

どうしろというのだ……。

「鞄はここにあるから戻ってはくるだろうけど、こじれる気がする。……こじれるというか、太陽がいじけたままになる」

彩人は遠回しに、迎えに行けと言っている。

「俺たちが行っても意味ないよな? やっぱり烏丸が行くしかないんじゃないか?」

焔は直球である。

うう。面倒くさい。

だが、二人分の視線を背負い、紅羽は太陽を探しに部室を出た。
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