midday crow
しばらく廊下を歩いているうちに、すぐに太陽は見つかった。

厳密に言えば、一つの教室から太陽の大声が聞こえてきた。

「なんでそんな平気そうなんだよー! みんなそういうものなのかよー!」

全くわかりやすい。

紅羽は渋面になる。

「まーまー。落ち着きなよー」

いなすような相槌を打ったのは女の声だった。

聞き覚えがある。

ふと教室のプレートを確認すると、以前太陽に数学と日本史を詰め込んだ教室だった。

それで思い出した、このゆるい声の主は、三上凛だ。
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